
建設業界では、人手不足や働き方改革への対応が喫緊の課題となっています。その解決策として注目されているのがデジタルトランスフォーメーション(DX)ですが、実際には思うように推進できていないという声が多く聞かれるのも事実です。
本記事では、経済産業省とIPAが発表した最新のDXレポートのデータを踏まえながら、建設業界でDXが思うように進まない理由を明らかにし、実際に成果を上げている企業の取り組みを5つご紹介します。現場で活用されているツールの具体的な使い方や導入効果についても、実例を交えて解説します。
目次
- 1 9割以上の企業がDXに未着手または一部実施のみ:日本のDXの現状
- 2 建設業界でDXが進まない理由:経済産業省が指摘する3つの壁
- 3 DXレポート2.2が示す成功の鍵:「組織のコミュニケーション改革」
- 4 事例1 株式会社ユアテック:年間約500時間の業務効率化を実現
- 5 事例2 青木あすなろ建設株式会社:多言語対応で外国人労働者教育を支援
- 6 事例3 共立建設株式会社:新規入場者教育の人的コストを大幅削減
- 7 事例4 株式会社LIXIL:従業員が自発的に5,000本の動画を作成
- 8 事例5 株式会社アイダ設計:営業研修の理解向上にアバターが活躍
- 9 建設業界のDX推進を加速させる5つのポイント
- 10 まとめ:建設業界のDXは現場から始まり、全社最適へ
9割以上の企業がDXに未着手または一部実施のみ:日本のDXの現状
経済産業省の「DXレポート2(中間取りまとめ・2020年12月)」によると、9割以上の企業がDXに未着手であったり、一部の実施にとどまっており、DX実現への道のりはまだ遠い状況です。
さらに、「DXレポート2.2(2022年7月)」とIPA「DX動向2025(2025年7月)」の最新データでは、より詳細な課題が明らかになっています。DX推進指標に取り組む企業は着実に増えており、先行企業(成熟度レベル3以上)の割合も2019年の4%から2021年には18%まで増加しています。しかし、デジタル投資の約8割が既存ビジネスの維持・運営に占められているという状況が継続しています。

日本のDX推進における3つの深刻な課題
IPA「DX動向2025」によると、日本・米国・ドイツの3か国比較で、日本企業のDXには明確な課題が浮き彫りになっています。
1. 「内向き・部分最適」に偏重した取り組み
日本のDXは社内の業務効率化を目指す「内向き」で、個別の業務プロセスの改善にとどまる「部分最適」の性質を強く持っています。一方、米国とドイツのDXは、新たな価値創造を目指す「外向き」で、業務プロセスを企業・組織全体で最適化しようとする「全体最適」の性質を持つという、明確な違いがあります。
2. バリューアップに至らない成果創出
DXレポート2.2の調査によると、バリューアップ(サービスの創造・革新)の取り組みにおいて、実際に成果が出ている企業は1割未満に留まっています。約7割の企業がサービスの創造・革新の必要性は理解しているものの、目指す姿やアクションを具体化できていないため、成果に至らず、バリューアップへの投資が増えていかない状況です。
3. 効率化中心の投資からの脱却ができない
DX推進指標の自己診断結果を提出した企業の平均スコアは伸びてはいるものの、「企業のデジタル投資は、主に、既存ビジネスの効率化中心に振り向けられている」という状況に変わりはなく、DX推進に対して投入される経営資源が企業成長に反映されていないと考えられます。
建設業界でDXが進まない理由:経済産業省が指摘する3つの壁
経済産業省の「DXレポート2」では、建設業界を含む日本企業全体でDXが思うように進まない理由として、以下の3つが指摘されています。
レガシーシステムからの脱却困難
長年使い続けてきた古いシステムが複雑化していて、なかなか変えられないという課題があります。これがいわゆる「2025年の崖」問題です。
経営層の理解不足と予算確保の壁
経営側がDXを理解しておらず予算がないという問題があります。DXの必要性は認識していても、具体的な投資対効果が見えづらく、予算確保が進まないケースが少なくありません。
専門的な人材の不足
デジタル人材の育成という課題が残ります。IPA「DX動向2025」によると、日本ではDX推進人材の「量」の確保状況について85.1%の企業が「やや不足している」「大幅に不足している」と回答しており、人材確保が最大の課題となっています。

DXレポート2.2が示す成功の鍵:「組織のコミュニケーション改革」
経済産業省のDXレポート2.2では、DXで収益向上を達成するための重要な要因が明らかにされています。
デジタルで収益向上を達成するための特徴
DX推進の規範的企業への調査結果から、共通する目指す方向性としては、「既存ビジネスの効率化・省力化」ではなく、「新規デジタルビジネスの創出」や、既存ビジネスであっても「デジタル技術の導入による既存ビジネスの付加価値向上(個社の強みの明確化・再定義)」であり、その結果、全社的な収益向上を達成していることが分かりました。
特に重要なのは以下の2点です:
1. トップは「行動指針」を示す必要がある
経営者は、ビジョンや戦略を示すだけでは不十分であり、社員が新しい仕事のやり方や働き方に順応できるように、判断の拠りどころとなる行動指針を示さなければなりません。
2. 全社一斉のトップダウン実施が必要
部門間は互いに関係しあっているため、個別部門から順番に変革しても未変革の他部門に影響を受けるため、全体の変革が完了しません。このため、変革を推進するためには、全社を対象にトップダウンで一斉に実施しなければなりません。
事例1 株式会社ユアテック:年間約500時間の業務効率化を実現
株式会社ユアテックは、東北6県と新潟県に加え、関東圏とベトナム、ミャンマーなど、80を超える事業所で社会インフラの整備に関わる事業を展開する総合設備エンジニアリング企業です。
導入の背景
2022年にDX推進委員会が立ち上がり、その施策のひとつとして「最新デジタル技術の活用による現場業務の効率化」が掲げられました。社内調査を実施したところ、「部門教育の効率化と内容の充実を図りたい」という回答があり、ITツールの活用による社内研修の効率化を目指すことになりました。
導入前の課題
ユアテックでは、管理職・中堅・新人などの階層別に分けられた「階層別研修」を実施しており、教育やスキルアップに欠かせない重要なプログラムですが、このような定期的に開催される社内研修が業務負担の一因となっていました。
当時の社内研修は、各部門の教育担当者がPowerPointで資料を作成し、対面で社員に説明する形式でした。この形式には以下の課題がありました。
- – 講師のスキル差による理解度のバラつき
- – 人前で話すことへの精神的な負担
- – 会社から往復2時間の研修センターへの移動時間
対面によるアナログな形式から、時間と場所を選ばず、クオリティを均一化できる動画視聴にシフトすることで、これらの課題を解決できると考えました。
PIP-Makerで作成した研修動画の一例
動画作成ツールを選ぶ上で重視した点
一番避けなければならないのは、ツールを導入しても有効活用がなされず、逆にコストがかさんでしまう点です。そのため、動画作成・視聴の両面において、「デジタルに慣れていない方でも簡単に扱えること」を重視しました。また、AI音声合成の品質にも注意しました。音声に違和感があると、内容の理解に悪影響を及ぼすのはもちろん、動画視聴が不快になってしまう可能性もあります。
PIP-Makerを選んだ決め手
PIP-Makerを選んだ決め手は、必要な要件をすべて満たしたツールだったからということです。特によかったのは、「PowerPointをアップするだけで動画が作成できる」という手軽さでした。建築業はデジタルツールに慣れていない方が比較的多い業界かと思いますが、このツールなら経験やスキルの有無に関わらず簡単に操作できると感じました。
具体的な活用方法
まずは担当部門で研修資料の動画化を行いました。以前のアナログな方法から、PowerPointで作成した資料をPIP-Makerにアップして動画化し、受講者に共有するという形式にシフトしました。
課題となっていた「研修センターへの移動・PowerPointによる対面説明」といったプロセスを完全に削減できたので、講師・受講者の精神的な負担を解消できたほか、研修業務の大幅な効率化に成功しました。
現在は各部門の活用が浸透し、以下のような用途で使われています。
- – 工事現場における新規入場者教育
- – システム操作マニュアル
- – 周知資料の説明
全社への展開は、経営企画部 IT戦略・システム企画グループが発信しているDXに関する社内報、各部門の情報システム担当者を対象とした定例会議などを活用しました。このようなコンテンツや場を用いて導入方法や使い方を共有したことで、全社への展開をスムーズに進められました。
現在は、ほとんどの部門でPIP-Makerが有効活用されています。ここまですぐに浸透できた最大の要因は、「誰でもすぐに操作を覚えて動画を作成できる」という、ツールとしての有用性でしょう。
導入効果
経営企画部 IT戦略・システム企画グループだけでも4種類の研修があり、これらの研修で効果を計測したところ、年間23時間の工数を削減できていることがわかりました。
同様の効果が別部門にも広がっており、現在は全社で200本近くの動画が作成されていることを踏まえれば、約500時間以上の工数を削減できているものと考えます。これは、当初想定していた費用対効果を大きく上回る数字で、PIP-Makerの導入は大成功だったと考えています。
資料を作成する負荷が軽減されたのはもちろん、受講者側からも動画がわかりやすいと好評です。特によいのは、アバターが解説する動画を作れるという点です。音声合成のみだと少し無機質になってしまうのですが、アバターによる案内があることで、違和感なく最後まで集中して視聴できます。
資料説明の動画化で年間約500時間の業務効率化!社内研修の業務効率化を強力にサポートするPIP-Maker
事例2 青木あすなろ建設株式会社:多言語対応で外国人労働者教育を支援
青木あすなろ建設は、建築工事や土木工事を請け負う総合建設会社(ゼネコン)です。建築分野では、ホテルやデータセンターなどの建築や省エネのための熱源改修、建物のリニューアルなどを行い、土木分野では、高速道路の維持や防災・減災対策、再生可能エネルギー施設の敷設などを手がけられています。
導入の背景と課題
青木あすなろ建設で初めてPIP-Makerを導入したのが安全本部安全管理部です。PIP-Maker導入前は、現場での講習は講師がテキストを読み上げながら教えていましたが、テキストが多く、また硬い内容が多いので、特に若手社員にとって興味を持ちにくいことが課題でした。
「若手社員にもっと研修の内容に興味を持ってもらうにはどうしたらいいか」と考え、文字よりも表現が柔らかく理解しやすい動画に行きついたのです。
近年、青木あすなろ建設および協力会社では、日本語以外を母国語とする海外技術者が増加してきました。その結果、安全確保や品質担保のために正しく理解してもらう必要のある内容を、日本語以外の言語で説明する場面が増えていました。しかし対応できる人員の確保が難しくなってきたことから、動画で代用する方法を検討していました。
PIP-Makerを選んだ決め手
展示会に赴き、複数の動画編集ツールを比較検討しました。その結果、価格の安さに加え、多言語対応が可能なPIP-Makerを選びました。当時、別部署で海外人財育成に動画を導入しようとする動きがあり、多言語対応は欠かせない条件でした。他社にも多言語対応のツールはありましたが、発音の精度の高さが最終的な決め手となりました。
実際に使ってみると非常に操作しやすい点を魅力に感じました。さらに、サポート体制もしっかりしており、導入後に不明点があってもすぐに相談できるという安心感もありました。
具体的な活用方法
同社では3つの部署で、それぞれの目的に応じてPIP-Makerを活用されています。
安全本部安全管理部
- – 現場の所員および作業員向けに、法改正や季節ごとの注意点などを動画にまとめて配信
- – クイズをはさんだり、AIアバターに動きをつけたりして、受講生を飽きさせない工夫をしている
- – 最近は業界の法改正が多いので、その度に新しい動画を作成している
管理本部海外技術者育成就労支援室
- – 来日したばかりの海外技術者に向けて、就業規則や社内規定などを説明する動画を作成
- – これらの内容は文量が多い上に内容も複雑なので、導入前は、日本語がまだ得意でない海外技術者に説明するのが大きな負担となっていた
- – 導入後は、動画で説明するようになったため、人的リソースも時間も軽減できている
生産性推進部
- – 新規入場者教育で使用する動画を作成
- – 基本的にはすべての現場で同一の動画を使っているが、現場によりルールやこだわりが異なるので、リクエストによって生産性推進部で動画をアレンジする場合もある
- – 建設現場によってはインターネット環境がない場合もあるため、動画はMP4形式で共有
- – 日本語に慣れていない外国人作業者に向けて、英語やベトナム語、タガログ語バージョンの動画も作成
- – 現場では正しく理解していないと危険につながるため、慣れない日本語よりも母国語でしっかり理解してもらう方が賢明だと考えた

外国人技術者向けに、PIP-Makerで作成した研修動画を視聴している様子。
導入効果
- – 以前は講師により説明にばらつきが生じることがありましたが、動画だと常に同じ説明ができるので、研修内容の平準化が可能になった
- – 青木あすなろ建設の動画を紹介したグループ会社から「自社の社員にも見せたい」という話をいただいたこともあり、社内では安全教育で実際に使用している現場もある
- – PIP-Makerの動画を導入して、時間と人的リソースの効率化につながっている。一度動画を作成すれば使いまわせますし、内容に変更が必要であれば少しだけ編集するだけで済む
- – 操作方法もわかりやすく、マニュアルを読まずに操作できるようになった
- – 実際に受講した外国人社員からは、「動画でかみ砕いた説明を聞けるので、理解しやすい」という感想をもらっている
- – PIP-Makerの合成音声は、とても自然な日本語で聞き取りやすく、一般的な動画投稿サイトに見られるような不自然なイントネーションのAI音声とは異なる。来日したばかりの外国人社員に誤ったイントネーションの日本語を覚えさせたくないため、この点は非常に助かっている
- – 新規入場者教育を日本語で行っていた時は、日本語に慣れていない外国人財は研修内容を深く理解できていなかったが、母国語の動画を制作したところ、受講生の理解度が高まり、「口頭よりも動画の方が、理解しやすく伝わりやすい」という感想も届いている
- – 以前は新規入場者教育を主任や所長が説明していましたが、動画導入後は説明の手間と時間を省けるようになり、他の業務に充てられる時間を確保できるようになった
母国語に近い自然な発話で伝わる。高品質な多言語対応機能で外国人財教育を支援するPIP-Maker
事例3 共立建設株式会社:新規入場者教育の人的コストを大幅削減
共立建設株式会社は、日本電信電話株式会社(NTT)のグループ企業として、NTTの通信関連施設から集合住宅まで幅広い実績を持つ、1956年創業の歴史ある総合建設会社です。
導入の背景
数年前から取り組まれている建設DXの一環として、本社の業務効率化や全国に展開する支店の新規入場者教育などにPIP-Makerをご活用いただいています(2022年6月導入)。
i-コンストラクション推進室は、建設DXの強化を目的に数年前に設立された比較的に新しい部署で、本社(東京都渋谷区)だけでなく、北海道から沖縄まで全国に点在する支店を対象に、ITシステムを活用した全社的な業務改善や効率化を推進しています。
導入前の課題
情報収集で赴いた展示会でPIP-Makerのことを偶然知りました。特に動画ツールを探しに行ったのではなかったのですが、アバターに目新しさを感じて説明を聞いてみようと思いました。
以前から、社内のマニュアルや、建設現場の新規入場者教育資料の作成にかかる時間や手間を削減する方法はないかと検討していたのですが、PIP-Makerで既存のパワーポイントから簡単に動画が作れることを知り、共立建設の課題解決にマッチするのではないかと考えました。
これまでは、一部のマニュアルや資料を外部発注し動画化していましたが、この場合、一度あがってきたものをチェックして修正してもらうというやり取りが何度か発生するので、どうしても納品までに一定の手間と時間がかかってしまいます。
また、新規入場者教育に関しては、流用できる部分はあるものの、建設現場によって危険箇所や休憩所などの位置が違いますし、工事の進捗や現場環境によって変動が発生するので内容を変えねばならず、その都度パワーポイントを作成して紙で配ったり、自分たちで動画を作っている支店もありました。
PIP-Makerを選んだ決め手
PIP-Makerなら、必要に応じてパワーポイントを追加・修正するだけで変更が瞬時に反映されます。共有にはURLを配布しているのですが、同じURLで修正版を確認できるところがとても良いと思いました。
具体的な活用方法
本社では、BIM(Building Information Modeling)で使用する3Dシステムのマニュアルや、管轄である本店の新規入場者教育用資料の作成などに使っています。本店(本社同ビル内)では、協力会社向けに提出書類の書き方をレクチャーする動画や、他の現場で発生した事例から注意喚起を促す教育動画の作成などに使っているようです。1つの工事に対し、協力会社やその下請け会社など多くが係るので、URLで全体に情報共有できる点が良いと思います。
まずは担当者が試してみて、その後、全支店のIT担当者に紹介しました。トライアルで使ってみたいという支店に手を挙げてもらったのですが、その時は、特に使い方を限定せず、必要性に応じて色々な使い方をしてもらえばよいと思っていました。
九州支店では、規模の大小に関わらず1人の現場が多く、大きい現場や掛持ち現場になればなるほど現場員が抱える負担は大きくなるので、PIP-Makerを使うことでその部分を省力化できればと考えました。
工夫している点
新規入場者教育の動画はスキップや早送りができない設定にしています。ログを取って管理しているわけでないのですが、現場の安全担保やスムーズな進行のために、しっかり最後まで視聴してもらうようにしています。
また、現場には外国の方もいらっしゃるので、担当している現場向けには、オプションの自動翻訳機能を使っています。英語が分からないので精度は判断できないのですが、画像と併せて見てもらえば大体の内容は理解してもらえていると思います。この点については、現場に職長がいるので、まずは全員に見てもらって、細かなフォローを含めちゃんと教育した上で現場に入ってもらっています。
新規入場者教育のサンプル動画
導入効果
これまでは、パワーポイントを出力したり、自分たちで音声を入れていたので、「あれがこんな風に動画になるんだ」とインパクトが大きかったようです。さらに、それをQRコードで簡単に視聴できるのですから。そういう意味では、これまで支店ごとに工夫して動画化していたものが、簡単に動画になるということで、初めて紹介した時の反応は非常に良かったですね。
実際の現場の視点から言っても、多くの場合工事の工程が進むにつれて新規入場者が入れ替わるので、その都度説明をしなくてはならず、それだけでかなりの時間を取られてしまいます。それを動画がやってくれるので、その分を他の作業に使えるようになります。
当室の目的は、そういう形で省力化できる部分は省力化し、空いた時間を他の業務に充てるという、本当の意味での業務効率化や時間短縮を支援するツールを提供することなので、その意味では一定の効果があると感じています。
初めにきちんとパワーポイントを作り込んでおけば、後は必要に応じて修正するだけなので、その点でとても作業が楽になりました。
新規入場者教育の人的コストを大幅削減 建設DXの時短と省力化をサポートするPIP-Maker
事例4 株式会社LIXIL:従業員が自発的に5,000本の動画を作成
住宅設備機器・建材メーカーの株式会社LIXILは、2018年に営業現場での教育を目的にPIP-Makerを導入して以来、約5,000本もの動画を自社内で作成しました。
導入の背景
働き方改革の推進を背景に、時間外労働の削減が求められるようになりました。さらにコロナ禍の影響もあって、以前なら研修やOJTの後、先輩に分からないことを教えてもらう時間があったのですが、それが難しくなり従業員の知識レベルの低下懸念がありました。
併せて、社内のラーニングシステムを切り替えるというタイミングでもあったため、誰でもいつでも自発的に学習できる環境を整えることが必要と考え、社内の教育コンテンツを再構築する目的でPIP-Makerを導入しました。
PIP-Makerを選んだ決め手
動画作成の専門人材やスキルを持たなくても簡単に動画が作れるというコンセプトと、動画作成コストが抑えられる点を特に高く評価しました。
ボトムアップでの活用拡大
PIP-Makerの導入は教育企画部が決めたが、積極的な活用はボトムアップで始まりました。
LIXILのPurpose(存在意義)は、『世界中の誰もが願う、豊かで快適な住まいの実現』であり、それを実現するために『LIXIL Behaviors(3つの行動)』があります。①正しいことをする、②敬意を持って働く、③実験し、学ぶ、です。PIP-Makerの活用は、現場で実験していろいろなことを学びながら広めていこう、という3番目の行動にのっとって始まりました。
スモールスタートだったPIP-Makerの”凄み”は、瞬く間に社内外に広まりました。PIP-Makerで作った教育コンテンツを社内SNSにアップしたところ、営業担当から「販促ツールとしても使えそう」という声が上がり、ビジネスパートナーなどの顧客ごとに最適化した提案を盛り込んだ販促資料をPIP-Makerで作成し、プレゼンテーションに活用するように。営業支援ツールが動画に変わった結果、商談が格段にスムーズになりました。
導入効果
LIXILの商品、サービスの数は膨大で、従業員はもちろんビジネスパートナーも商品知識を効率良く学ばなければなりません。
今まではお客さまにパワーポイントで作成した資料を送ったり、出向いて説明したりしていたのですが、今はまずPIP-Makerで作成した動画資料を送って見ていただいた後にさらに詳しい話をするために伺う、という使い方をしています。
動画を視聴することで顧客の理解が深まるので、その後の商談の中身が濃くなり円滑に進むという効果がありました。
撮影・録画一切不要。パワポをアップロードするだけで動画を作成し、企業のDXを現場から加速させる画期的方法
事例5 株式会社アイダ設計:営業研修の理解向上にアバターが活躍
株式会社アイダ設計は、北から南まで広域にわたり92店舗の支店、営業所で不動産事業や分譲住宅、注文住宅の戸建て販売サービスを展開するハウスメーカーです。
導入の背景
これまで、主にパワーポイントを出力し、紙ベースで営業教育をされていましたが、受講者の更なる理解向上を目指し、2021年4月にPIP-Makerを導入されました。
これまでは、新入社員や中途採用の営業社員に対する研修を、パワーポイントの資料を出力した紙ベースで行っていました。しかし、このように視覚情報だけの研修だと、個人個人で理解度に差が出てしまうこと、そして内容をどこまで理解しているか把握しづらいという課題を感じていました。
動画による研修も行っていましたが、研修を撮影し動画編集ソフトで制作していたので、制作に多大な時間がかかっていました。加えて、単に動画を視聴するだけでは、紙の資料と同等の効果しか望めません。そこで、受講者の理解度を高めるためにも、視覚だけでなく聴覚にも訴える何か効果的な手法はないかと探していました。
PIP-Makerを選んだ決め手
受講者が「分からなかった。理解できなかった」という課題を解決するツールであることです。これまでの研修は、集合研修で紙の資料を配布して説明する、また撮影した動画を視聴させるという一方向的な内容でした。これでは、例え受講者が目の前に居ても、興味を持って学んでいるか、どこまで理解してくれたのかが分かりません。そういう意味でも、既存資産であるパワーポイント資料が使え、かつアバター動画を制作できるPIP-Makerに興味を持ちました。
初めてPIP-Makerを知ったのは、Web検索でした。導入にあたっては、4COLORS以外にも何社か検討しましたが、PIP-Makerのようなアバターが無く、単に声だけで説明するだけだったり、入力文字数に制限があったり、また価格的な問題もありました。そんな折、アイダ設計の取引き先で、既にPIP-Makerを導入されていたLIXIL社からのご紹介もあり、また、要望に合致したことから、導入に踏み切りました。
導入効果
導入時の目的は、営業部の新入社員や中途採用社員向けの基礎研修や、接客マナー、またクレーム対応などシチュエーション別の対応法などの動画作成でした。初めて使った時、これまで数日かけて作っていた動画が、わずか2時間ほどで出来上がったことに感動しました。操作が簡単ですし、またアバターの発話レベルも高いと思います。
PIP-Makerで作った動画は、実際に視聴した担当者からも好評です。実は、他部署にも利用が広がっていて、きっかけは、Web全体会議でPIP-Makerを使った動画で説明をしたことでした。
動画を観た他部署の社員から「何のツールを使っているのか?」と問い合わせを受け、社内でのPIP-Maker説明役をすることになりました。現在では、総務部や人事部の他、建設現場を監督する部署の安全対策説明などで活用されています。
アイダ設計には、オフィシャルサイトやその他の制作物を担当する部署があります。外向けのコンテンツだけでなく、研修資料・説明資料など、所謂「制作物は極力内製化すべし」という方針です。このような傾向は、他社様でも多いのではないでしょうか?そして、その様な資料は、ほとんどパワーポイントで作成されていると思います。PIP-Makerは、とてもシンプルな操作性で、既存資産を使って簡単に動画を作成することができます。
新規入場者教育の人的コストを大幅削減 建設DXの時短と省力化をサポートするPIP-Maker
建設業界のDX推進を加速させる5つのポイント
これまでご紹介した5つの成功事例と、経済産業省・IPAの最新データから、建設業界でDXを推進するための共通点が見えてきます。
「内向き・部分最適」から「外向き・全体最適」へ
IPA「DX動向2025」が指摘するように、日本のDXは社内の業務効率化を目指す「内向き」で、個別の業務プロセスの改善にとどまる「部分最適」に偏っています。成果を出すには、新たな価値創造を目指す「外向き」で、業務プロセスを企業・組織全体で最適化する「全体最適」へのシフトが必要です。
現場主導でスタートする
LIXILの事例が示すように、経営層からのトップダウンではなく、現場で実験し学びながら広めていくボトムアップのアプローチが効果的です。ただし、DXレポート2.2が指摘するように、全社的な変革には最終的に全社を対象にトップダウンで一斉に実施することが必要です。
簡単に使えるツールを選ぶ
建設業界はデジタルツールに慣れていない方が比較的多い業界です。専門知識や複雑な操作が不要で、PowerPointをアップロードするだけで動画が作成できるような、誰でも簡単に使えるツールを選ぶことが重要です。
既存資産を活用する
多くの企業では、すでにPowerPointで作成された研修資料やマニュアルが存在します。これらの既存資産を活用できるツールを選ぶことで、ゼロから作り直す手間を省き、スムーズにDXを進めることができます。
多様な用途で活用する
新規入場者教育だけでなく、安全教育、システムマニュアル、営業支援、多言語対応など、様々な用途で活用することで、投資対効果を最大化できます。
まとめ:建設業界のDXは現場から始まり、全社最適へ
経済産業省とIPAの最新データが示すように、建設業界でDXが思うように進まない背景には、「内向き・部分最適」に偏った取り組み、バリューアップに至らない成果創出、効率化中心の投資といった構造的な課題があります。
しかし、今回ご紹介した5つの成功事例が示すように、現場の視点に立ち、簡単に使えるツールから徐々にスタートすることで、着実に成果を上げることができます。
特に、PIP-Makerのような動画作成ツールは、以下の点で建設業界のDX推進に効果的です。
- – PowerPointをアップロードするだけで動画化できる手軽さ
- – デジタルに不慣れな現場社員でも簡単に操作できる
- – 多言語対応により外国人労働者の教育も可能
- – 研修内容の平準化と理解度向上
- – 大幅な工数削減と業務効率化
建設業界のDX推進は、現場主導のボトムアップで始めつつ、最終的には全社を対象にトップダウンで一斉に実施することが成功の鍵です。まずは小さく始めて、現場で実験し、学びながら広げていく。そして、「内向き・部分最適」から「外向き・全体最適」へとシフトする。そのアプローチこそが、建設業界のDXを加速させる最も確実な方法なのです。
累計700社以上、15万本を超える動画が作成されているPIP-Makerは、建設業界の現場から始まるDX推進を強力にサポートします。貴社でも、まずは無料トライアルから始めてみてはいかがでしょうか。
参考資料
- – 経済産業省「DXレポート2(中間取りまとめ・2020年12月)」
- – 経済産業省「DXレポート2.2(2022年7月)」
- – 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)「DX動向2025(2025年7月)」
