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業務標準化を叶えるマニュアルの運用ルールとは?6つのコツを解説

業務マニュアルは、ベテラン社員と新入社員のスキル格差を埋めて業務を標準化し、社内全体の業務効率化を図るうえで高い効果を発揮します。しかし、古い情報が書かれたマニュアルを放置すると、ミスやトラブルを招き、かえって逆効果になるリスクもあります。

マニュアルは業務の運用手順が変更されたタイミングで見直し、最新の状態に改版して、使いやすい状態に整えることが大切です。本記事では、業界標準化を叶えるマニュアルの運用ルールと6つのコツを解説します。

マニュアルの重要性

マニュアルを整備することは、社内における業務の手順を統一し、従業員間のスキルの平準化を図るうえで重要です。

マニュアルが存在しない現場では、従業員が個々のスキルを駆使して業務を処理するため、ベテラン社員と新入社員のスキル格差が広がりやすい傾向にあります。このような状況になると、ベテラン社員の業務負担が増大し、従業員満足度が低下しやすくなります。

また、マニュアルが整備されていない現場においては、個々の従業員が自分なりの手順で業務を進めるため、属人化が進みやすい側面もあります。属人化が進むと担当者の不在時に他の人が業務を代わりに処理できず、業務が滞留する原因になります。

マニュアルを放置していると起こること

前述のように、現場におけるマニュアルの整備は重要です。しかし、一度作ったきり放置してしまうと、マニュアルが古いままとなり改善されなかったり、業界のトレンドや最新システムに対応できなくなるおそれがあります。

ここでは、マニュアルを放置していると起こる2つのリスクについて解説します。

マニュアルが改善されない

作成したマニュアルを放置すると、いつまで経っても改善されず、業務手順が変更されていても古い手順のまま置き去りになってしまう可能性があります。

マニュアルが改善されていないことに気がつかずに従業員が業務を進めると、十分な成果を挙げられなかったり、想定外の失敗を招いたりするおそれがあるため、マニュアルは定期的に見直して改善を加えることが大切です。

マニュアルを作成する際は改版履歴を掲載し、そのマニュアルが最後に改版されたのはいつなのかを明らかにしておくことが望ましいでしょう。

業界のトレンドや最新システムに対応できなくなる

古いマニュアルを使い続けると、業界のトレンドや最新システムに対応できなくなる可能性もあります。

近年のデジタル技術の進歩は早く、次々と新しい技術やサービスが登場しています。このような流れに合わせて、現場でもさまざまなデジタル技術を導入することがあるでしょう。自社で新たなデジタル技術を導入した際は、既存のマニュアルも見直して、最新の業務の流れに変更する必要があります。

改版せずに放置すると、既に存在しないシステムを使用して業務を進めることになっていたり、デジタル技術で効率化されているにもかかわらず、人の手による作業を行う手順として記述されていたりと、業務効率の悪化を招きます。

マニュアルが活用されない原因と課題

せっかく作成したマニュアルがなかなか活用されず、お悩みの現場も多いのではないでしょうか。マニュアルが活用されない原因には、内容が理解しにくいことや、更新されていないため最新情報ではないこと、必要なときにすぐに参照できないことなどが挙げられます。

ここでは、具体的な3つの原因と課題について解説します。

そもそも内容が理解しにくい

マニュアルが活用されない原因として特によく考えられるのが、「そもそも内容が理解しにくい」という問題です。マニュアルは文字が多いため、読むための労力がかかるというのも課題のひとつに挙げられます。

マニュアルは多くの従業員が利用するため、誰でも分かりやすい内容に整備されていることが大切です。まだ業務知識がそれほど深くない従業員でも、マニュアルの手順通りに進めれば業務を処理できるクオリティに仕上がっていなければ、マニュアルの効果は十分に発揮されません。

マニュアルを作成する際は、該当の業務について詳しくない人にレビューを依頼し、実際にマニュアルを使って業務を処理してもらうなどの工夫が必要です。

分かりやすいマニュアルを作成するなら、動画マニュアルも選択肢のひとつです。動画マニュアルについては、下記の記事もご覧ください。
マニュアル動画作成のメリットとデメリット、作成ステップを詳しく解説

更新されていないため最新情報ではない

マニュアルが定期的に更新されておらず、最新情報ではない場合にも、マニュアルは使われずに放置されてしまうおそれがあります。

前述のように、長い間更新されていないマニュアルは情報が古くなり、最新の手順が反映されていないケースが多々あります。このようなマニュアルは記載されている手順通りに進めても期待通りの成果が出ないため、現場で使われなくなってしまいます。

マニュアルの定期的な改版を行い、常に最新の状態にアップデートするように注意しましょう。

必要なときにどこにあるか分からない

クオリティの高いマニュアルを作成できたとしても、必要なときにすぐに使用できないのであれば、存在していないのと同じことになってしまいます。

マニュアル活用の対象となる従業員に保管場所を周知し、いつでもすぐに参照できる体制を整えておくことが大切です。紙で印刷したマニュアルなら保管している棚やロッカーの場所を、PDFなどデータで作成したマニュアルの場合は保存してあるフォルダの場所を、分かりやすい形で伝えておきましょう。

マニュアルが活用されないと発生するデメリット

マニュアルが活用されないことで発生するデメリットとしては、古い情報によるミスやトラブルの発生のほか、従業員同士の情報格差や引き継ぎ業務の非効率化などが考えられます。

業務効率の大幅な低下につながるため、マニュアルが活用されやすい現場づくりに昼食することが求められます。

古い情報によるミスやトラブルの発生

マニュアルが十分に活用されないまま業務を行うと、現在の運用方法と異なる古い手順で業務を進めてしまい、思わぬミスやトラブルが発生する可能性があります。

ベテラン社員は自身の経験を駆使して古い情報を避け、最新の手順で自然に業務をこなすことができるかもしれません。しかし、現場に入ったばかりの新入社員は十分な経験値を持たないため、口頭で説明された不正確な手順や、更新されていない古いマニュアルの情報を信用して業務をこなします。このような背景から、ミスやトラブルにつながりやすくなってしまうのです。

従業員同士の情報格差が生じる

マニュアルが活用されないことで、従業員同士の情報格差が生じやすくなります。

マニュアルが整備されていれば、マニュアルの内容を読むだけで誰でも同じ情報を獲得することが可能です。しかし、マニュアルが整備されていない現場では、ある情報を「知っている人」と「知らない人」が発生します。

このような状況を放置すると、従業員同士の連携がうまくいかずにミスを招いたり、社内の業務効率が大きく低下したりする可能性があります。

同様の引き継ぎ業務が繰り返し発生する

同様の引き継ぎ業務が繰り返し発生することも、マニュアルが活用されない現場ではよくあります。

マニュアル活用が浸透している現場では、引き継ぎの際にマニュアルを渡し、簡単に内容を説明するだけで後任の担当者も前任と同じ成果を出すことができます。しかし、マニュアルが存在しない現場では、後任の担当者に業務手順を1から教えなければならず、引き継ぎ業務に膨大な時間がかかります。

口頭で引き継ぎを行うことによって情報伝達の正確性が落ちる可能性も、マニュアルを活用しないことのデメリットのひとつです。

業務標準化を実現するマニュアルの管理ルール

業務標準化を実現するマニュアルの管理ルールとして重要なポイントは、主に次の6つです。

・マニュアルの管理者を決める
・マニュアルの活用状況を数値化する
・定期的なヒアリングを実施する
・業務の改善点をマニュアルに反映させる
・更新後のマニュアルもすぐに共有する
・更新前のマニュアルも保存しておく

ここでは、6つの管理ルールについて詳しく解説します。

業務標準化について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
業務標準化の効果的な進め方とは?メリット・デメリットも詳しく解説

マニュアルの管理者を決める

作成したマニュアルは所在を明らかにしたうえで、適切に管理することが重要です。そのため、マニュアルの管理者を決めておき、常に速やかな改版を行ったり定期的な効果測定を行ったりできる体制を整えましょう。

管理者を決めずに放置されたマニュアルは、古い情報がなかなか改版されずに内容が陳腐化したり、存在が忘れ去られて使われなくなってしまったりする可能性があります。必ず管理者のもとに作成済みのマニュアルを集約し、どのように活用されているのかを把握できる状態を維持しましょう。

作成したマニュアルが現場で使われないと、作成にかかった工数が無駄になってしまうため、正しく管理して活用を浸透させることが大切です。

マニュアルの活用状況を数値化する

マニュアルの活用状況を数値化することは、業務標準化が進んでいるかどうかを把握するために有効な方法のひとつです。

現場の従業員にマニュアルの活用が浸透しているということは、全ての従業員がマニュアルに記載された手順で業務を処理しているということでもあります。つまり、マニュアルの活用率が高まるほど、業務標準化が進んでいると判断できます。

マニュアルの活用状況を測定するためには、現場で働く従業員に活用アンケートを取るなどの方法が考えられます。マニュアルの存在が周知されているか、実際に活用されているかといった質問を投げかけて、活用の実態を押さえることが求められます。

定期的なヒアリングを実施する

マニュアルの活用をより現場に浸透させるためには、定期的なヒアリングを実施して使いやすいマニュアルに改版することも大切です。

誰でも同じ成果を出せるマニュアルを作るためには、多くの従業員が使いやすいと感じるマニュアルに仕上げなければなりません。そのため、実際にマニュアルを使っている従業員にヒアリングを行い、使いやすい点や改善が必要な点などを把握して、次回の改善に役立てることをおすすめします。

特に、業務知識がそれほど深くない従業員から見ても使いやすいマニュアルに仕上がっているかどうかは重要な観点です。用語の解説が必要な部分や、手順が分かりにくい部分がないかどうかなども重点的にチェックしましょう。

業務の改善点をマニュアルに反映させる

日々の業務を処理する中で、業務フローそのものを変更することもあるでしょう。このような業務フローの変更が行われた場合は、変更点を速やかにマニュアルに反映させることが重要です。

マニュアルに変更点を反映させないまま活用し続けると、せっかく見直した業務フローが実際の現場運用に反映されず、古い業務手順のまま業務が処理され続けてしまうおそれがあります。従業員同士の認識にずれが生じて連携がうまくいかなくなる可能性もあるため、業務に変更がある場合はマニュアルにも反映させることを徹底しましょう。

更新後のマニュアルもすぐに共有する

マニュアルを更新した後は、マニュアルが更新されたことを従業員に速やかに周知・共有することが大切です。

マニュアルが更新されたことを従業員に知らせずにいると、紙に印刷した古いマニュアルやダウンロード済みの過去のマニュアルデータを使い続けてしまう原因になります。社内ポータルや社内会議など、マニュアルを使用する従業員が必ず確認する媒体で、最新のマニュアルの変更点や格納場所を伝達することにより、情報格差を防止できます。

更新前のマニュアルも保存しておく

マニュアルを更新する際は、更新前のマニュアルも保存しておきましょう。歴代のマニュアルを保存しておくことで、変更点が明確になるだけでなく、万が一過去のバージョンに戻す必要があるときでもスムーズに対応できます。

特に現場の業務手順を変更した場合、思ったよりも改善効果が現れず、以前の運用に戻すケースもよくあります。このときに過去のマニュアルを保存していないと、1から作り直しになってしまい、無駄な手間が発生します。

整備しやすいマニュアルを作成するには

整備しやすいマニュアルを作成するためには、マニュアルのフォーマット統一化や更新履歴の作成を徹底したうえで、シンプルなデザインを心がけることが大切です。また、ページ番号付を通番にしないことも、改版を用意にするためのポイントです。

マニュアルのフォーマットを統一化する

社内には複数の業務があるため、それぞれのマニュアルを作成することも多いでしょう。マニュアルを作成する際は、これら全てのフォーマットを統一化することをおすすめします。

マニュアルによってフォーマットが異なると、管理者が変わったときに管理がしにくくなるだけでなく、利用者にとっても使いにくさを感じやすくなります。あらかじめマニュアル作成用のフォーマットを用意しておき、どのマニュアルも同じ仕様にすることで、扱いやすいマニュアルを作成できます。

下記の記事では、マニュアルのテンプレートについて詳しく解説しています。
マニュアル作成にはテンプレートを活用しよう!選定方法も併せて解説

マニュアルの更新履歴を作成する

マニュアルを作成・改版するときは、更新履歴を作成しましょう。更新履歴が記載されていないと、現在のマニュアルの内容が最新かどうかをひと目で判断する手段がなく、毎回全てのページを読み込んで判断する手間が生じます。

長年にわたって、内容を一切変更する必要がないマニュアルは多くありません。ほとんどの現場において、少しずつ業務の運用方法は変更されるため、マニュアルも定期的に改版する必要があります。マニュアル整備を効率化するためにも、更新履歴の存在は重要です。

凝りすぎたデザインや作成方法は避ける

マニュアルを作成する際に陥りやすい失敗のひとつに「デザインに凝りすぎてしまう」というものがあります。

一見するとデザイン性の高いマニュアルは見栄えも良く、良いもののように思えるかもしれません。しかし、デザインに凝りすぎたマニュアルは整備に手間がかかり、必ずしも良いとは言い切れないのが実情です。

マニュアルのデザインはシンプルで分かりやすい見た目を心がけ、誰にでも必要な情報が分かりやすく、改版しやすいものを選択しましょう。

ページ番号付を通番にしない

マニュアルのページ番号は通番にせず、白紙で管理することで、管理をさらに容易にできます。マニュアルの改版時にページが増えたり減ったりすると、ページ番号にも修正が必要になるためです。

ページ番号を細かく修正していると、途中で付番をミスしてかえって分かりにくくなる可能性もあります。ページ番号付を通番にせず白紙にしておくと、この部分の修正工数を削減できます。

古い情報を一新し、最新のマニュアルを活用できる体制整備が重要

社内のマニュアル整備は重要ですが、改版せずに放置すると、古い情報をもとにした業務処理によるミスやトラブルが発生したり、従業員同士の情報格差が生まれたりするおそれがあります。運用中のマニュアルは定期的に見直しを行い、最新の情報に修正することが大切です。

マニュアルを整備することで、製作者、利用者、会社全体のそれぞれにとって次のようなメリットがあります。

製作者

・マニュアルの管理体制が整い、最新情報をひと目で確認できる
・社内でマニュアルの利活用を推進しやすくなる

利用者

・古いマニュアルを利用することによるミスやトラブルを防止できる
・従業員同士の情報格差を埋められる

会社全体

・急な退職や異動にも対応でき、スムーズな情報連携の体制を整えられる
・社内業務の効率化を図り、運用コスト削減につながる

整備しやすいマニュアルを作るためには、マニュアルのフォーマットを統一化したり、更新履歴を記載したりするなど工夫を凝らしましょう。誰でも運用しやすい体制を整えることで、長期的に現場に活用されるマニュアルを作成できます。

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