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NTT東日本関東病院様

待ち時間50%、入院時オリエンテーション時間17%削減!
看護師の負担軽減と患者の利便性向上をPIP-Makerで実現

NTT東日本関東病院様は、NTT東日本株式会社を母体とする企業病院です。「人と、地域と、つながる医療」をモットーに、急性期病院、地域医療支援病院、地域がん診療連携拠点病院として地域医療に貢献されています。

同院には、看護師が行っている入院患者さんへのオリエンテーション(入院時の説明)の負担軽減を目的に、2024年6月にPIP-Makerをご導入いただきました。

本記事では看護部 患者サポートセンター 入院支援部門・瀧口沙樹様、総務人事部 医療センタ DX推進部門・上内めぐみ様に、PIP-Maker導入の活用方法や効果についてお話をうかがいました。

はじめに、貴院の特徴と、お二人の役割についてお聞かせください。

(瀧口様)
当院は、NTT東日本株式会社が経営する企業病院です。『地域医療への貢献』を理念としており、高度急性期病院、地域医療支援病院、地域がん診療連携拠点病院という3つの重要な役割を担っています。また、ICTの医療への活用と社会貢献を基本方針に掲げ、積極的に医療DXに取り組んでいる点が大きな特徴です。

私は患者サポートセンターの入院支援部門に所属しており、看護師として患者さんが入院される前から退院後の生活までを一貫してサポートする業務を担当しています。入院オリエンテーションやリスクアセスメントの実施も、私の重要な仕事の一つです。

(上内様)
私は総務人事部にあるDX推進部門に所属し、医療DXの推進を担当しています。NTT東日本が保有する関東、伊豆、札幌の3病院における働き方改革の推進、医療の安全と質の向上、そして収支改善をミッションに掲げており、テクノロジーを活用した患者数の増加、持続可能な経営の実現を通じ「NTTらしい選ばれる病院」を目指しています。

PIP-Makerの導入前は、どのような課題を抱えていらっしゃいましたか?

(瀧口様)
一番の課題は、入院前の患者さんへのオリエンテーションにかかる時間と、それにともなう看護師の拘束時間の長さでした。オリエンテーションにおいては、入院日や手術日の確認、持ち物の説明、パジャマのレンタル、さらには転倒・転落防止や身体拘束ゼロ化へのご協力をお願いする同意書の説明など、患者さんにお伝えすべき内容が非常に多岐にわたります。そのため説明にも長い時間を要するのですが、実際に計測したところ、患者さんお一人への説明だけで平均21分半、長い方だと40分から1時間もかかっていることがわかりました。

また、オリエンテーションを終えた後には、看護師が説明内容をカルテに記録する時間も必要です。多い日には60名近くの患者さんに対応することもあるため看護師の拘束時間が長く、その他の業務にも影響が出るケースも多々ありました。

(上内様)
そうした状況を受け、看護師が患者さんに行うオリエンテーション業務を分析したところ、すべての患者さんに同じ内容を説明する「定型業務」と、患者さん一人ひとりに合わせて説明内容を変える「個別業務」に分けられることがわかりました。

オリエンテーションが長くなれば、患者さんにも負担がかかります。計測によればオリエンテーションを受けるまでの待ち時間が平均33分、患者サポートセンターでの総滞在時間も平均62分と、かなりのご負担になっていました。患者さんの待ち時間と看護師の業務負担、この2つの課題の解決のために、定型業務を自動化できないかと考えはじめたことがプロジェクトの出発点でした。

数あるツールの中から、PIP-Makerを選ばれた決め手は何だったのでしょうか。

(上内様)
2023年の秋に「NexTechWeek」という展示会に参加し、4COLORSのブースでPIP-Makerをご案内いただいたのが最初のきっかけです。まずは『PowerPointから動画を作成できる』という手軽さに興味を引かれました。

他の動画作成ツールも複数検討したところ、他社製品は動画のダウンロードに追加料金が必要だったり、多言語対応がオプションだったりと料金体系が複雑でした。一方、PIP-Makerは初期費用+月額の料金体系が明確で、操作性も非常に直感的なのが印象的でした。

実際に無料トライアルさせていただいた際に、画面の左にPowerPointのスライド、右にナレーション原稿を表示し、プレビューしながら調整できる手軽さを実感できたのも大きな決め手になっています。また、最低契約期間が半年という柔軟性も決め手のひとつです。万が一、導入効果が見られなかった場合に短期で解約できる安心感が、最終的な意思決定に繋がりました。

動画作成は、どのように進められたのでしょうか。

(瀧口様)
最初にPIP-Makerで取り組んだのは、入院前の患者さん向けオリエンテーション動画の作成でした。動画作成のプロセスでは、まず私たち看護師が、説明内容のベースとなるPowerPointの資料を作成しました。現場の私たちが一番患者さんに伝えたい内容や、伝えるべき重要なポイントを熟知しているので、重要な役割でした。

ただ、動画として誰にでも分かりやすく伝えるための工夫、例えば文字の大きさや話す速度、専門用語をいかに噛み砕くかなど、自分たちだけでは気づけない点も多くありました。そこをDX推進部門に患者さん目線で客観的にレビューしてもらい、一緒に調整をするという流れを繰り返しながら作成を進めました。

(上内様)
DX推進部門側では、他の病院が公開している患者説明動画なども徹底的にリサーチし、「字幕風に文字を大きく表示する」「専門的な内容はイラストを多く使う」といった、より患者さんに伝わりやすくなるための具体的な提案をしました。

制作にあたり苦労したのは、「伝えたいことをいかにコンパクトに、かつ分かりやすく伝えるか」です。患者さんへの思いから、看護師の説明はとても丁寧になり、その分どうしても内容が多くなってしまいます。そのため、表現の取捨選択については何度も話し合いを重ね、患者さんがストレスなく視聴できる最適な時間を探りつつ、動画で伝える内容と看護師が直接口頭で補足すべき内容の切り分けを行いました。

(瀧口様)
例えば、すべての患者さんに行う説明であっても、個別に説明する必要があるデリケートな内容は、動画から外して口頭説明に切り分けるといった試行錯誤を繰り返し、内容の質を落とすことなく動画の長さを9分半まで短縮しました。完成までの道のりは簡単ではありませんでしたが、このプロセスがあったからこそ、質の高い動画が完成したのだと思います。

作成した動画はどのように活用されていますか?また、導入の効果はありましたか?

(上内様)
患者さんの入院が決まったタイミングで動画のURLに繋がるQRコードをお渡しし、患者さんやご家族の方に入院当日までに見ていただくようにご案内しています。また、もし見られなかった場合も、入院オリエンテーション当日に待合室のテレビでも同じ動画を流していますので、それを見ていただくことで、看護師がオリエンテーション時に行う説明を短縮できるようになりました。

(瀧口様)
導入の効果は私たちの予想以上でした。まず定量的な効果として、以前は看護師によるオリエンテーションに平均21分半かかっていましたが、これを3分40秒短縮し平均17分半になりました。また、当日の受付からオリエンテーション開始までの待ち時間は動画視聴に充てていただくことにより、22分から12分短縮し10分になりました。待ち時間や看護師オリエンテーションの時間短縮の積み重ねが、患者さんの満足度向上に繋がっていると感じています。

実際にアンケートでも、「待ち時間を有効活用できた」「自宅で家族と一緒に繰り返し見ることができて安心した」「入院の持ち物を再確認できた」といったポジティブな声を多数いただいています。特に、入院まで1~2ヶ月の期間が空く患者さんにとっては、QRコードを通じて、いつでも内容を確認できる点が大きなメリットになっているようです。
一度説明を聞いただけでは忘れてしまうことも、動画なら自分のペースで納得するまで見返すことができるので、過去に入院された経験のある患者さんからも、「こういう便利なのが始まったんだね」とお声がけいただくこともあります。

このように、定型的な説明を動画に任せられるようになった結果、看護師は患者さん一人ひとりの不安に寄り添ったり、個別の質問に答えたりといった、より専門性が求められる対話に時間を割けるようになりました。これは、看護師の業務負担軽減だけでなく、医療の質の向上にも直結すると考えています。

(上内様)
この入院案内動画の成功を事例とし、院内で動画作成希望者を募集したところ、他の部署からも利用したいという声が多数上がりました。今では、専門性が高く説明に1時間要していた放射線治療のオリエンテーションや、患者さんが理解し納得した上で医療を選択することが求められるがんゲノム医療などに関する検査説明、がん治療による皮膚障害のケア方法紹介など、さまざまな場面でPIP-Makerを活用しています。

待合室視聴用動画

待合室視聴

スマートフォン視聴用動画

スマートフォン視聴

入院案内動画ご案内用紙

入院案内動画ご案内用紙

最後に、導入の感想と今後の展望についてお聞かせください。

(瀧口様)
動画制作の専門知識がなくても、普段から使い慣れているPowerPointをベースに、質の高い説明動画が作れることが本当に助かっています。看護師の業務負担軽減はもちろん、患者さんにとっても、質の高い情報を好きなタイミングで得られるという、双方にとってWin-Winの結果になったと感じています。
また、当院には外国人の患者さんも多いので、多言語対応機能が非常に役立っています。

(上内様)
この成功事例は弊社の他の病院にも共有しており、札幌病院では同じような入院案内の動画、伊豆病院では人間ドックの検査案内動画などを作成しております。加えて、各病院とも患者さん向けだけではなく職員向け説明動画(研修など)にも活用の輪が広がっています。

今後は、PIP-Makerの新機能である「動画内での動画再生機能」も活用したいですね。場所案内や治療のセルフケア方法など、テキストや画像だけでは伝わりにくい情報や雰囲気などをお伝えするさまざまな場面での活用が期待できます。患者さんにとってより分かりやすく、安心できる医療の提供に活用したいと考えています。

(瀧口様)
高齢化社会の加速により、患者さんが増加していくことが予想されます。我々病院側は、限られたマンパワーを有効活用する必要があり、看護師の業務負担の軽減は非常に重要なテーマだと考えています。

PIP-Makerを導入したことで、入院時の説明という大きな負担を軽減できたことに加え、患者さんに一定の質を保った説明を提供できるようになりました。PowerPointを使える方なら苦労せずに操作できますので、看護師不足やリソースの圧迫にお悩みの病院は、PIP-Makerを導入することで、業務改善に繋がると思います。

<4COLORSスタッフ一同より>
瀧口様、上内様、この度はご多用の中、取材にご協力いただき誠にありがとうございました。
医療現場での働き方改革が求められる中、貴院における動画活用による業務効率化への取り組みに、現場目線での創意工夫を感じ、大変参考になりました。
その一助として、当社のサービスをご活用いただいていることを大変光栄に思います。
今回の事例が、日々医療に従事されている皆さまにとって、業務改善や働き方改革のヒントとなれば幸いです。

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