できるだけ短い時間で、コストをかけずに動画マニュアルを作成したい場合におすすめなのが、パワーポイントの録画機能を使った作成方法です。専用のソフトを導入することなく低コストで動画マニュアルを作成でき、社外向けでも十分に活用できるクオリティの画質で出力することも可能です。
本記事では、パワーポイントでマニュアル動画を作成する3つのメリットや、パワーポイントを使った動画マニュアルの作り方について詳しく解説します。
目次
パワーポイントでマニュアル動画を作成する3つのメリット
パワーポイントでマニュアル動画を作成するメリットとして、主に次の3点が挙げられます。
・すぐに制作に取りかかれる
・専用のソフトを導入する必要がない
・出力する画質を選べる
これからマニュアル動画を作成するなら、パワーポイントを活用したマニュアル作成を検討するのがおすすめです。ここでは、上記の3つのメリットについて詳しく解説します。
すぐに制作に取りかかれる
パワーポイントでマニュアル動画を作成する大きなメリットのひとつは「すぐに制作に取りかかれる」ということです。
パワーポイントを使わずに1からマニュアル動画を作成する場合、動画に必要なシナリオ(骨組み)を作成し、必要な動画素材を撮影するために出演者や機材を調達し、場合によってはロケ地なども押さえる必要があります。
また、編集用のイラストや素材などを別途収集する必要もあるため、これらの準備を全て整えるためには膨大な工数がかかります。
しかし、パワーポイントからマニュアル動画を作成するのであれば、既に作成済みのパワーポイントファイルをアップロードして簡単な編集を加えるだけなので、必要な場面ですぐに作成できるのが強みです。
専用のソフトを導入する必要がない
パワーポイントでマニュアル動画を作成すれば、専用のソフトを導入する必要がないため、コストを削減できるというメリットがあります。
マニュアル動画を作成するために有料の動画ソフトを導入すると、動画ソフトの導入費用として安くても数万円程度かかる可能性が高いです。中には無料で使えるものもありますが、編集機能が十分でなかったり、全ての機能が使えなかったりして、求めているクオリティの動画マニュアルを作成できないこともあるでしょう。
パワーポイントで必要な説明が記載されたファイルを用意しておき、そのファイルをもとにスライドショーやプレゼンテーション機能などを駆使すれば、手軽かつこだわった動画マニュアルを低コストで作成できます。
出力する画質を選べる
パワーポイントで動画マニュアルを作成するにあたって、出力する画質を選ぶことも可能です。
動画ソフトで作成した動画をレンダリング(出力)する際に、出力できる画質のクオリティが低く、社外向けに公開するには不足していると感じられる場合があります。しかし、パワーポイントでは出力する動画ファイルの画質を選べるので、社外向けに運用する予定の動画マニュアルであってもクオリティ面で安心です。
マニュアル動画の作成についてさらに詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
マニュアル動画作成のメリットとデメリット、作成ステップを詳しく解説
パワーポイントを使った動画マニュアルの作成方法
ここからは、実際にパワーポイントを使って動画マニュアルを作成する方法を紹介します。主な手順は次の通りです。
1. 動画マニュアルにしたいパワーポイントファイルとマイク・ヘッドフォンを用意する
2. 「記録」タブをクリックする
3. スライドショーで録画を開始する
4. 事前に準備しておいたプレゼンテーションを行う
5. 録画した映像をファイルに出力する
それでは、実際に動画マニュアルの作成方法を見ていきましょう。
動画マニュアルにしたいパワーポイントファイルとマイク・ヘッドフォンを用意する
まずは、動画マニュアルの作成に使用したいパワーポイントのファイルと、マイク、ヘッドフォンを準備します。マイクやヘッドフォンは説明を録音するための機材として使用するため、手元にない場合はあらかじめ購入しておきましょう。
マイク・ヘッドフォンともに数千円程度で購入できるため、初めて動画マニュアルを作成するなら、まずは安価なものでも十分です。
「記録」タブをクリック
パワーポイントのファイルとマイク、ヘッドフォンを準備できたら、動画マニュアルにしたいパワーポイントのファイルを開き、画面上部のタブを「記録」「に切り替えます。
その後、メニューの中にある「先頭から」をクリック(スライドの途中から記録したい場合は、記録を開始したいスライドを選択して「現在のスライドから」をクリック)します。
スライドショーで録画を開始する
「先頭から」もしくは「現在のスライドから」をクリックすると、録画画面に切り替わります。録画画面に切り替わったら、画面下部に動画マニュアルにしたいパワーポイントのファイルが表示されていることを確認しましょう。
録画の前に、画面上部右側にあるマイクとヘッドフォンのマークを確認し、それぞれの機器がオフになっていないかをチェックしておきます。問題がなければ、画面上部にある録画ボタンをクリックすると、スライドショーで録画が開始します。
事前に準備しておいたプレゼンテーションを行う
スライドショーで録画が始まったら、事前に決めたシナリオに沿ってプレゼンテーションを行いましょう。スライドは画面下部の矢印で移動できるので、慎重に操作しながらプレゼンテーションを進めていきます。
必要に応じて、蛍光ペンなどのツールを使うことも可能です。
録画した映像をファイルに出力する
プレゼンテーションが終了したら、録画した映像をファイルに出力する作業に移ります。録画を停止した後、画面右上にある「エクスポート」をクリックして、表示された画面の左下にある「ビデオのエクスポート」を選択しましょう。自動的にビデオの出力が始まります。
なお、「エクスポートのカスタマイズ」をクリックすると、出力するビデオの画質などを細かく設定できます。出力が完了したら、画面のダイアログに従ってビデオの名前を入力し、任意の場所に保存します。
録画した動画をパワーポイントに挿入する方法
録画した動画をパワーポイントに挿入する方法は、次の通りです。
1. メニューから「挿入」タブに移動する
2. 挿入タブの「ビデオ」をクリックする
3. 任意のビデオを挿入する
それでは、実際に動画の挿入方法を見ていきましょう。
メニューから「挿入」タブに移動する
動画を挿入したいパワーポイントのファイルを開き、上部のタブから「挿入」を選択しましょう。
挿入タブの「ビデオ」をクリックする
挿入タブ右側にある「ビデオ」をクリックします。
任意のビデオを挿入する
「ビデオ」をクリックすると、「このデバイス」「ストックビデオ」「オンラインビデオ」の3つのメニューが表示されます。エクスポートした動画を挿入したい場合は、「このデバイス」から、先ほど保存した動画の場所を指定・選択します。
任意の動画を選択すると、パワーポイント上に選択した動画が挿入されます。
YouTubeの動画リンクを挿入する方法
YouTube上にアップロードされている動画へのリンクを挿入したい場合は、次の手順が必要です。
1. YouTubeを開いてリンクしたい動画を検索
2. 挿入したい動画のリンクをコピーする
3. オンラインビデオをクリックする
4. リンク入力画面にYouTube動画のリンクを貼り付ける
この方法を使うと、YouTubeにアップロード済みのファイルとパワーポイントのファイルを連携して、より分かりやすいマニュアルに仕上げることが可能です。
YouTubeを開いてリンクしたい動画を検索
まずはYouTubeを開き、パワーポイントのファイルに追加したいYouTubeの動画を検索しましょう。自社が過去にアップロードした動画を追加したい場合は、マイページのアップロード済みの動画一覧から探すと手間が省けます。
自社が権利を持っていない動画をリンクする場合、中には転載禁止を指示している動画などもあるため、内容をよく確認した上でリンクするかどうかを判断することが大切です。
挿入したい動画のリンクをコピーする
YouTubeで追加したい動画を見つけたら、挿入したい動画のリンクをコピーします。
動画を開いた状態でブラウザのアドレスバー(URLが表示されているバー)を選択してコピーするか、動画ページ内にある「共有」メニューをクリックして、表示されたURLの右側にある「コピー」をクリックしましょう。
共有メニューに表示されているURLは短縮されたURLなので、こちらを利用するのがおすすめです。
オンラインビデオをクリックする
URLをコピーしたら、パワーポイントの画面に戻ります。パワーポイントの「挿入」タブ→「ビデオ」の順にをクリックすると、「このデバイス」「ストックビデオ」「オンラインビデオ」の3つのメニューが表示されます。
YouTubeの動画をリンクするためには、この中から「オンラインビデオ」をクリックします。
リンク入力画面にyouytube動画のリンクを貼り付ける
「オンラインビデオ」をクリックすると、オンラインビデオへのリンク入力画面が表示されます。「オンラインビデオのアドレスを入力する」と表示されている文面のすぐ下に、先ほどコピーした動画のURLを貼り付けます。
その後、画面右下の「挿入」をクリックすると、YouTube動画へのリンクが挿入されます。
ローカルファイルを選んで動画を挿入する方法
ローカルファイルを選んで動画を挿入する場合は、次の手順が必要です。
1. メニューから「新しいスライド」をクリック
2. 「コンテンツプレースホルダー」から「ビデオの挿入」を選択
3. ローカルファイルの選択画面から挿入したい動画を選択
この方法を使うと、パソコンに保存されている動画をパワーポイントに挿入できます。
メニューから「新しいスライド」をクリック
まずは動画を挿入したいパワーポイントのファイルを開き、「新しいスライド」をクリックします。
「コンテンツプレースホルダー」から「ビデオの挿入」を選択
その後、作成した新しいスライドに表やグラフ、画像、動画のアイコンが並んだ「コンテンツプレースホルダー」が表示されます。この中から、「ビデオの挿入」を選択します。
ローカルファイルの選択画面から挿入したい動画を選択
「ビデオの挿入」を選択すると、ローカルファイルの選択画面が表示されます。「最近の項目」や「デスクトップ」、「ダウンロード」などから挿入したい動画を選択しましょう。
任意のファイルを選択すると、先ほど作成した新しいスライド上に動画が挿入されます。
ブラウザやアプリケーションの操作を録画してパワーポイントに挿入する方法
ブラウザやアプリケーションの操作を録画してパワーポイントに挿入する場合は、次の手順で操作を行います。
1. パワーポイントを起動し、「挿入」タブから画面録画を選択する
2. 録画したいブラウザやアプリケーションを開き、範囲を選択する
3. 「録画」ボタンを押して録画を開始する
4. 録画した内容が自動的にパワーポイントに挿入される
この操作では、パワーポイント外の操作を記録して、パワーポイントファイルに動画として挿入することができます。
パワーポイントを起動し、「挿入」タブから画面録画を選択する
まずはパワーポイントを起動して「挿入」タブを選択し、右側にある「画面録画」のメニューをクリックしましょう。
録画したいブラウザやアプリケーションを開き、範囲を選択する
画面録画を選択すると、画面の範囲を選択するメニューが表示されます。ブラウザやアプリケーションなど、録画したい任意の画面を開いて、録画の範囲を選択しましょう。
「録画」ボタンを押して録画を開始する
録画の範囲を選択できたら、「録画」ボタンを押すと、一定時間のカウントダウンの後に録画が開始されます。アプリケーションの操作手順など、あらかじめ決めておいた録画したい内容に従って操作を行い、画面を録画します。
録画した内容が自動的にパワーポイントに挿入される
録画を終了する場合は、画面上部に表示されるメニューの「終了」をクリックします。画面録画を終了すると、録画した内容がパワーポイント上に自動的に挿入されます。
プレゼン動画マニュアルにBGMを挿入する方法
作成したプレゼン動画マニュアルにBGMを挿入するには、次の操作が必要です。
1. メニューの「挿入」をクリック
2. 右から2番目の「オーディオ」メニューをクリックし、「このコンピュータのオーディオ」を選択
3. 挿入したいBGMファイルを選択する
4. BGMが挿入される
BGMを挿入することで、より印象的で伝わりやすいマニュアル動画に仕上げることができます。
メニューの「挿入」をクリック
BGMを挿入したいパワーポイントのファイルを開き、「挿入」タブを選択します。
右から2番目の「オーディオ」メニューをクリックし、「このコンピュータのオーディオ」を選択
挿入タブの画面右から2番目にある「オーディオ」をクリックし、「このコンピュータのオーディオ」をクリックします。
挿入したいBGMファイルを選択する
表示されたダイアログから挿入したいBGMファイルを選択し、「挿入」をクリックします。
BGMが挿入される
パワーポイントのファイル上に選択したBGMが挿入されます。
YouTubeの動画や外部のBGMを使用する際の注意点
YouTubeの動画やBGMを使用する際は、著作権に問題がないかどうか、転載に該当しないかどうかを事前によく確認しましょう。
YouTubeに投稿されている動画は、基本的に投稿者に著作権があります。そのため、動画を保存してそのまま自社のコンテンツとして使用するのは法律違反です。動画をそのまま転載するのではなく、URLのリンクを記載し、正しい使用法を心がけましょう。
また、中には「外部リンク禁止」と記載されている動画もあります。公開されている動画は基本的に外部リンクしても問題がないものとみなされる可能性が高いものの、無用なトラブルを招く可能性があるため、避けておくのが無難です。
同様にBGMにも著作権があるため、著作権フリーのBGMや自作のBGMを使用することが求められます。
パワーポイントの録画機能を活用し、低コストで動画マニュアルを作成しよう
コストをかけずに動画マニュアルを作成したい場合に、パワーポイントを使った録画機能が重宝します。画質なども選択できるため、外部向けの動画マニュアルを公開する予定がある場合でも十分に活用できるでしょう。
パワーポイントでマニュアルを作成すると、製作者、利用者、会社全体のそれぞれにとって次のようなメリットがあります。
製作者
・とにかく早くマニュアルを作成しなければならないときに、すぐに制作に取りかかれる
・既に作成済みのパワーポイントのファイルを使えるため、制作にかかる手間を削減できる
利用者
・動画でマニュアルを閲覧できるため、視覚的に内容を理解できる
・サイトなどにアップロードしておけば、どこからでも動画を視聴できる
会社全体
・マニュアル作成にかかるコストを削減できる
・業務の生産性が高まり、売上アップやブランド力の向上につながる
しかし、パワーポイントを使って1からマニュアルを作成するのは、初心者だと難しく感じられる場合も多いものです。パワーポイントで動画を作成するのが難しいと感じたら、パワーポイントファイルをアップロードするだけで簡単に動画マニュアルを作成できる「PIP-Maker」がおすすめです。
PIP-Maker なら、既存のパワーポイントをアップロードするだけで簡単に動画マニュアルを作成できます。編集機能も豊富で、アニメーションやアバターを使用した伝わりやすい動画に仕上げられます。