PIP-Maker TOP > ブログ > eラーニングの受講率が低い原因は?最後まで見られる「研修動画」にする3つの工夫

ブログ

eラーニングの受講率が低い原因は?最後まで見られる「研修動画」にする3つの工夫

eラーニングの受講率が低い原因は?最後まで見られる「研修動画」にする3つの工夫

「eラーニングを導入したのに、社員が最後まで受講してくれない」——これは、多くの企業の教育担当者が抱える共通の悩みです。動画教材やオンライン学習の環境は整ったものの、受講率や完了率が思うように上がらない。その原因の多くは、実は動画そのものの「作り方」にあります。本記事では、eラーニングの受講率が低くなる原因を整理し、最後まで見てもらえる研修動画にするための3つの工夫を解説します。

eラーニングは普及。それでも「受講されない」問題は残る

企業のeラーニングでは、教材の一部に動画を使ったり、教材そのものを一本の動画で作ったりする例が年々増えています。あるLMSベンダーのクラウドサービスでは、登録教材の約40%が動画を利用したものとなっており、動画の配信データ量は6年間で約18倍に増えたと報告されています(※1)。動画を使ったeラーニングは、もはや珍しい存在ではありません。

ところが、環境が整うほどに浮かび上がってくるのが「受講率・完了率が上がらない」という課題です。配信はしたが最後まで見られない、再生はされても内容が頭に残っていない——数字上の「配信完了」と、実際の「学習成果」との間に、大きなギャップが生じています。

eラーニングにおける動画活用の広がりを示すグラフ。登録教材の約40%が動画を利用し、動画データ転送量は6年で約18倍に増加(ライトワークスのLMS「CAREERSHIP」データ)

受講率が低い最大の原因は「一方通行の研修動画」

受講者が離脱してしまう最大の原因は、動画が「読むだけ・聞くだけ」の一方通行のコンテンツになっている点にあります。一方的に講師の話を聞き続ける座学形式は集中力が低下しやすく、ほかの手法との組み合わせが必要だと以前から指摘されてきました。単に講義を録画しただけの動画は、この弱点をそのままオンラインに持ち込んでいます。

結果として、PCで動画を再生しながら別の作業をする「ながら見」が横行し、受講者の意識は画面の外へ。再生完了のログだけが積み上がり、肝心の理解や定着にはつながらない、という事態が起こります。


一方通行の研修動画で離脱する受講者のイメージ

最後まで見られる研修動画にする3つの工夫

受講率を上げる近道は、システムの入れ替えでも、テーマの変更でもありません。すでにある研修動画の「作り方」を少し変えるだけで、視聴の質は大きく変わります。ここでは、離脱を防ぎ、最後まで見てもらうための3つの工夫を、具体的なアクションに落とし込んで解説します。

工夫1:短く区切り、結論から伝える(マイクロラーニング化)

長い動画は、それだけで最後まで見られない大きな要因になります。情報過多の時代、忙しいビジネスパーソンは「最短で答えを得る方法」を探しており、前置きの長い構成は敬遠されがちです。そのため、eラーニングの動画は年々短くなっており、近年は5分前後の「マイクロラーニング」が主流になりつつあります。

実践のポイントは、1本の動画に詰め込みすぎず、「1テーマ=1動画」に分割することです。10分・15分の解説を1本で流すのではなく、要点ごとに短く区切る。各動画は結論・要点を先に提示し、詳細を後から補う構成にすると、集中が途切れにくくなります。分割は「あと1本だけ見よう」という心理的ハードルの低さにもつながり、スキマ時間での消化を後押しします。加えて、スキマ時間の学習に最も使われるデバイスはスマートフォンです。秘匿性の高い内容でなければ、個人のスマホで受講できるようにするだけでも、受講は着実に進みます。


スマートフォンでスキマ時間に短い研修動画を視聴する様子

工夫2:編集で「飽きさせない」を作り込む

同じ内容でも、編集の作り込み次第で視聴の質は大きく変わります。話し手が映り続けるだけの映像は単調で飽きられやすいため、テロップで要点を強調する、複数のアングルを切り替える、重要ポイントにマーキングを入れるといった編集が、集中力の維持に効きます。板書映像をそのまま見せるのではなく、復習教材としても機能するように「見せ方」を設計することが重要です。

この「作り込み」の効果は、研究でも確かめられています。大学生42名を対象としたある研究では、通常の講義動画に対して、テロップやイラストの挿入、「ここで止めて考えてみよう」といった問いかけを差し込む編集を加えた動画を用意し、学習効果を比較しました。その結果、動画の長さは約7%(約50秒)増えただけで、事後テストの合計点は23.90点から27.24点(30点満点)へと約14%高くなり、統計的にも有意な差が確認されています。さらに、学習内容への興味・関心や、自ら学ぼうとする意欲も有意に高まったと報告されています(※2)。尺をわずかに増やしてでも「分かりやすさ」と「考えさせる仕掛け」を作り込むことが、理解度と学習意欲の向上に直結することを示す結果です。

編集の作り込みが学習効果に与える影響を示すグラフ。編集を加えた動画は再生時間が約7%増える一方で、事後テストの合計点が約14%向上した(丸山氏ら2017の実測値を基に作図)

工夫3:「見る」から「参加する」へ(インプットからアクションへ)

従来のeラーニングは、知識を一方的にインプットするための教材が中心でした。しかし動画本来の強みは、作業手順や振る舞いといった「アクション」を、臨場感を持って伝えられる点にあります。教育のトレンドも、単なる知識の伝達から、行動や実践を共有する方向へと移りつつあります。

受講率・定着率を根本的に変えるには、この流れに沿って、動画を「見るだけの教材」から「受講者が自ら考え・選び・動く教材」へと設計し直すことが鍵になります。一方通行の視聴を、双方向の体験へ。次章では、その転換を最も分かりやすく実現する具体的な手法を紹介します。

受講率を根本から変える「ゲーミフィケーション」

この「見るだけ」から「体験する」への転換を、最も分かりやすい形で実現するのが「ゲーミフィケーション」です。ポイント、バッジ、クエスト、リーダーボードといったゲーム設計の4要素を学習に取り入れることで、受講者は受け身の視聴者から、能動的にアクションを起こすプレイヤーへと変わります。クイズや選択肢、シナリオの分岐、即時フィードバックといった仕掛けは、「次が気になる」感覚を生み出し、途中離脱を防ぎます。

使い慣れたパワーポイントから、こうしたゲーミフィケーション要素を取り入れた研修動画を作る具体的な方法は、下記の記事で詳しく解説しています。

研修完了率が劇的に向上!ゲーミフィケーション動画活用術
ゲーミフィケーション研修動画の活用術

まとめ

eラーニングの受講率が上がらない原因は、システムやテーマではなく、多くの場合「一方通行の動画」にあります。短く・スマホ対応・飽きさせない編集という基本に加え、ゲーミフィケーションで受講者を「体験」に巻き込むこと。この組み合わせが、再生完了の数字を、本当の学習成果へと変えていきます。

参考資料

  • ※1 株式会社ライトワークス「eラーニングは動画で作れる?研修動画・教材の作り方も紹介」に基づく(同社LMSクラウドサービスの登録教材における動画利用比率・配信データ量の推移)。
  • ※2 丸山浩平・森本康彦・北澤武・宮寺庸造(2017)「主体的な数学学習のための構成的アプローチに基づく動画教材作成方法の開発と評価」『教育システム情報学会誌』Vol.34, No.2, pp.107-121.
株式会社4COLORS マーケティングチーム

執筆:株式会社4COLORS マーケティングチーム

建設・製造・金融・医療など幅広い業種への導入実績を持つアバター動画サービス「PIP-Maker」の開発・運営企業として、動画コンテンツ制作・活用に関する実践的な情報をお届けします。動画活用のヒントや最新トレンドも随時発信しています。

まずはお気軽に
ご連絡ください

弊社のサービス内容に関してなど、
お気軽にお問い合わせください。
まずは無料トライアルだけでもお待ちしています。