
※本記事における「DMP」は、マーケティング用語の「データ管理プラットフォーム(Data Management Platform)」とは異なります。
デジタル庁は2024年10月31日、行政機関向けのSaaS調達プラットフォーム「デジタルマーケットプレイス(DMP)」の正式版カタログサイトをリリースしました。行政のSaaS調達の迅速化・透明性向上が期待される取り組みとして、官公庁・自治体の担当者やSaaSベンダーから注目が集まっています。
この記事では、デジタルマーケットプレイス(DMP)の概要・仕組み・行政機関と事業者それぞれにとってのメリットをわかりやすく解説します。
目次
なぜ今、行政のIT調達が変わるのか
政府は「クラウド・バイ・デフォルト」原則を掲げ、行政機関が情報システムを導入する際はクラウドサービスを第一候補として検討することを推進しています。しかし、実際の調達現場では次のような課題が長年指摘されてきました。
- 調達期間が長い:調達の手続きだけでも通常3ヶ月以上かかり、迅速なシステム導入が困難
- 参入障壁が高い:調達プロセスに慣れた大手ITベンダーが有利になりやすく、中小・スタートアップが参入しにくい構造
- 市場の透明性が低い:行政機関が入手できるベンダー情報が限定的で、特定のITベンダーへの依存が生じやすい
- 官民双方の負担:入札のたびに仕様書作成・提案・価格提示のプロセスが発生し、手続きコストが大きい
これらの課題を解消し、行政DXをより迅速に推進するために設計されたのが、デジタルマーケットプレイス(DMP)です。
デジタルマーケットプレイス(DMP)とは
定義
デジタルマーケットプレイス(DMP)は、デジタル庁とあらかじめ基本契約を締結した事業者がSaaSをカタログサイトに登録し、行政機関・自治体が仕様に合ったサービスを検索・選定・契約できる新しい調達手法です。
デジタル庁の公式資料によると、デジタルマーケットプレイス(DMP)の目的は次の2点に集約されます。
- クラウドソフトウェア市場の可視化・比較を通じて、行政機関による迅速・公平な調達を促すこと
- 公共調達を通じた、中小・スタートアップも含めたソフトウェア産業振興につなげること
調達の対象
内閣府資料によると、デジタルマーケットプレイス(DMP)で想定される調達対象はSaaS(クラウドベースのソフトウェア)およびその導入支援を行うリセラーのサービスです。IaaS・PaaSはガバメントクラウドの枠組みで対応されるため、デジタルマーケットプレイス(DMP)の対象外となっています。
従来の調達方式とデジタルマーケットプレイス(DMP)の違い
デジタルマーケットプレイス(DMP)では、事業者がカタログサイトに参考価格や仕様、利用条件などの情報を公開し、比較・検討しやすくする仕組みです。行政機関はカタログ上でサービスを検索・絞り込み・選定し、個別契約を締結します。

デジタルマーケットプレイス(DMP)における調達フロー
| 比較項目 | 従来方式(総合評価入札) | デジタルマーケットプレイス(DMP) |
|---|---|---|
| 調達にかかる期間 | 通常3ヶ月以上 | 調達期間の大幅な短縮 |
| 情報収集の方法 | 各ベンダーに個別ヒアリング | カタログで横串比較 |
| 参入事業者の幅 | 大手ベンダー中心 | 中小・スタートアップも参入可 |
| 選定の透明性 | 担保が難しい | 証跡としてダウンロード可 |
| 価格の把握 | 入札・見積もりが必要 | 参考価格をカタログ上で比較 |
従来の調達方式とデジタルマーケットプレイス(DMP)の比較
出典:内閣府 規制改革推進会議資料・デジタル庁資料
行政機関・自治体にとってのメリット

デジタルマーケットプレイス(DMP)カタログサイトの検索・絞り込み画面
情報収集・サービス比較
カタログサイトでは複数の絞り込み条件を指定してサービスを横串で比較できます。従来は各ベンダーへ個別ヒアリングが必要だった仕様・セキュリティ要件の確認が、カタログ上で一括して行えるようになります。事業の企画段階・予算要求段階での候補サービス検討の効率化が期待されます。
事業費見込みの把握
従来は予算要求の前段階で、事業者に個別依頼して概算費用を収集する必要がありました。デジタルマーケットプレイス(DMP)では事業者が参考価格を登録・公開しているため、複数社の価格を一覧で比較でき、1社ずつ見積もりを依頼する手間を省くことができます。必要なライセンス数などを加味した予算要求額の推計にも活用できます。
調達時の選定根拠・証跡の確保
従来の調達では仕様書の作成から契約締結まで通常3ヶ月以上を要していましたが、デジタルマーケットプレイス(DMP)では既存の調達仕様書に代わり「調達仕様チェックシート」を使用するため、仕様書作成の負担を大幅に削減できます。また、特定調達(10万SDR(特定調達契約の閾値:約1,800万円)以上)では公告期間を通常より最大15日短縮し、最短25日間とすることが可能です。
さらに、行政機関の利用者はデジタルマーケットプレイス(DMP)で検索・選定した結果を調達時の証跡として出力できるため、選定根拠の透明性・公平性の確保にもつながります。
事業者(SaaSベンダー)にとってのメリット
2026年1月30日時点で登録事業者は363社・ソフトウェア441件にのぼり、行政ユーザーによる検索も週約1,000回に達しています。登録事業者のうち約77%(中小57%・スタートアップ19%)が中小・スタートアップ企業です。
事業者側のメリットとして以下が挙げられます。
- 低い営業コストで行政機関へのリーチが可能:登録により、全国の行政機関・自治体にサービス情報を見つけてもらいやすくなり、販売機会の拡大が期待できる
- 調達プロセスコストの低減:個別の調達手続にかかる負担軽減が期待できる
- 公平な市場アクセス:調達プロセスの簡素化により、中小・スタートアップも含む多様なベンダーが公共調達市場に参入しやすくなる
デジタルマーケットプレイス(DMP)に登録されているツールの例
デジタルマーケットプレイス(DMP)には、さまざまな業務ツールが登録されています。例えば以下のような製品があります。
- 動画マニュアル制作ツール
- 業務マニュアル作成ツール
- 業務効率化ツール
当社が提供するPIP-Makerもその一つで、PowerPoint資料からAIアバター付き動画を簡単に制作できるツールとして登録されています。
デジタルマーケットプレイス(DMP)カタログサイト上のPIP-Maker掲載ページ
デジタルマーケットプレイス(DMP)でPIP-Makerの導入もスムーズに
この記事で解説したデジタルマーケットプレイス(DMP)には、「PIP-Maker」が登録されています。
PIP-Makerは、PowerPoint資料をアップロードするだけでAIアバター付き動画を作成できるSaaSです。撮影・録音不要で、65言語以上の音声合成やSCORM出力にも対応しており、研修動画・業務説明動画の制作コスト削減に活用いただけます。
デジタルマーケットプレイス(DMP)をご利用いただくことで、PIP-Makerの機能・参考価格・利用規約をオンラインで確認でき、情報収集から調達までのプロセスを大幅に効率化できます。
官公庁・自治体での動画活用にご関心のある方は、ぜひデジタルマーケットプレイス(DMP)を活用した導入をご検討ください。PIP-Makerの詳細や導入事例については、お気軽にお問い合わせください。
参考資料
- デジタル庁:DMP デジタルマーケットプレイス 公式サイト
- デジタル庁「デジタルマーケットプレイス(DMP)正式版カタログサイトを2024年10月31日にリリースしました」
- 内閣府 規制改革推進会議「デジタルマーケットプレイスについて 資料2-4」(PDF)
- デジタル庁:事業者のデジタル化等に係る関係省庁等連絡会議(第10回) 資料5
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